小学生の頃、家族も眠る夜中。
頭から被った布団の中に、
遠くで走る貨物列車の音が届く事があった。
最寄駅の国立駅と隣の駅西国分寺の間には貨物列車だけが入って行くトンネルがあった。そのトンネルは何処へ繋がっているのか、背伸びして見た電車の窓の向こう。
一瞬で通り過ぎるトンネルを凝視しては、一日中その事ばかりを考えていた。
ここではない何処かへ繋がっている、
秘密の入り口が、あの頃の町には沢山あった気がする。
真夜中にひっそり胸に咲いたGOOD DAY そこに沢山の水を注ごう。
M1:MY夢中/ハナレグミ
M2:「ドゥルッティコラム」 otis
曲の中で聞こえる声
come back sleepless night
トンネルの向こうまでこだまするようだよ。
うんざりするほど暑い毎日の中で、
白い息を両手に吐く真冬の夜を思う。
M3:「金木犀の夜」 きのこ帝国
この曲を聴くと
間に合わない電車にもう一度乗れる気がして、急いで駆け出したくなるのは何故だろう。
まだ何処へ行きたというのだい?
M4:「真夜中のスーパー・フリーク」 SUPER BUTTER DOG
夜中に実家のベッドを抜け出して、国立駅までの15分を、全力で走ってるうちにママチャリが空に浮かんで、奥村くんちや宮越くんち、好井さんや武田さんちをあの日飛び越して行った歌。この曲を作りながら何度も空から自分の町を眺めて回った。
M5:「concha buika」 Mi Nina Lola
YouTubeのライブ映像を見る。
目を瞑り歌の世界に身を捧げるbuikaの横で、ギターを弾くハビエル・リモンさんが歌の最中、ちょいちょい優しく声をかける。『オレー オレー』それが『素晴らしい』『最高だよ』という意味だと知って、胸が熱くなる。僕も是非言われてみたい!今度U-zhannにベンガル語で言ってもらうように頼もうかな〜。
M6:「the heart of Saturday night」 Tom Waits
こいつがかかる場所なら
言葉はいらねぇ
GOOD DAY GOOD NIGHT
M7:「never my love」 echo in the canyon
80才を過ぎた叔母が
50年身を捧げた街ロスアンゼルスと別れを告げて今年日本に帰る。
春に叔母の家の見納めにロスアンゼルスに行ってきた。夜中にロスアンゼルスの街を見下ろす、ウェストハリウッドの山の頂上から夜景を見ながらこの曲を聴いた。夢に溢れた輝かしい時代を想像し、その向こうの儚い気配が山の下から風にのって僕の頬にまで届いた気がした時、極上に甘美なメロディ、ハーモニーの裏に縫い込まれたブルースを受け取って涙がでた。